はぁ、はぁ、はぁ・・・
荒々しい息づかい。
でも疲れたとは不思議に思わなかった。
ただ、白い道を走っている。
ただそれだけ。
もう少しでその道を抜けられるというところだった。
「いかないでっ!」
どことなく懐かしいような、声が聞こえた。
でも足を止める、ということは叶わず、抜けてしまった。
そこに見えた光景ーー
それは…―
Take5 事の終わりは事の始まり
パチッ
擬音なんて響くわけないのだが、そんな感じで目を空けた。
すると真っ白な天井。つんと鼻に付くような消毒液のにおい。
ー病院なのだろうか。腕には点滴が付けられていた。
起き上がってみれば、頭がふらついた。
寝起きのせいか、はたまたさっきの夢のせいか。。
夢は夢なのだけれども、ただ広がった光景がまるで戦場の後だったみたいだった。
もちろん、戦争なんて参加するわけが無いし・・アニメの見すぎだなきっと。
そう思っていると個室の扉が開いた。
「・・!実っ!目が覚めたか!?」
「あ・・。」
ことねとやおとが入ってくる。
ベットの横に来て言った。
「よかった・・。みんな心配してたんだからなっ!って俺も3日前に目が覚めたばっかなんだが。
やおと、みんなに知らせてこいっ!」
「・・う、うん。」
やおとはうなづくと個室から出て行った。
3日前に目が覚めたって・・・?
いったい何が・・・?
「あの、えっと・・何かあったの?」
「あっ、そうだよな、敵が来た事覚えてねーか?」
「てき?あぁ、カプチーノとレプリカの」
「そう、もうあれから5日間たってるんだ。」
「・・・は?5日k<バン!!>
『実ー!!』
かさなるいくつかの声。そう、アニメニーズの面々が入ってきたのだ。
「め、目が覚めたって!?」
「心配したよぉー!」
「よかったぁー・・。」
「大丈夫か?」
「痛くないー?」
「たくっ心配かけやがって・・」
なんて声が飛び交う。みんな心配してくれたんだ。
しかも一週間も・・。なんかジーンと来るなぁ・・。
ん?一週間・・!??
「あぁぁぁ!!!」
「!!!!!」
いきなりの実の大声でみんながみんな目を見開いている。
「5日間って、、アニメの放送は!!?ドラマの再放送は!?い○と○スペシャルはぁ!?
あああああー!」
「だ、大丈夫ですよ、きっと誰かが取っててくれてますからっ!」
「そうそう、元気みたいでよかった」
そのあとはみんなからこれまでの話を聞いた。
ことねとやおとが音族だということや、これまでのこと。
その他どうでもいいことをいろいろ。
とっても楽しくてたまらない。
こうしてみんなといられる時間が幸せでたまらない。
この時間がいつまでも続くといい。
ただみんなと笑い会える日々が続いたら・・・
ーーーーーどんなに良かったのだろうか。
そう、楽しい時間はあっという間に過ぎていくもの。
そんなのわかってたけど、わからないふりをしている。
これから起こることなんて、誰にもわからないのだから。
事件なんてものは、思いもよらないときに起こるものだ。
いつ起こったっておかしくはない。
そう…突然に
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「ねぇ、アレができるまでどれぐらいあるんでちゅか?」
デス・ミリット
薄暗い部屋で、レプリカはカプチーノに問う。
「そうですね。…メンテナンス等まだ完全系には時間がかかります。」
「ええーー。まだ先なんでちゅか。…つまんないでちゅ」
納得していないような、不満げなレプリカにカプチーノは微笑みながら言った。
「待っている時間も楽しいものですよ。…それに…」
「?」
「面白いものも、もうすぐ見れますよ。」
「ふーん…それはたのしみでちゅね。」
二人はにやりとほほえんだ。
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「んー!久しぶりの外の空気だぁー♪」
病院から出た実は上機嫌に、腕を伸ばして空を仰いだ。
「いい天気だなぁ…。」
空は晴天。さっぱりとした秋晴れである。
「良かったな、早く退院できて。」
「うん♪・・さて早く帰って一週間分の録画分みなきゃ。」
目を覚ましてから2日。実はようやく退院できたのである。
そして、ことねとやおともいた。
「・・お前、何をしてすごしてるんだ?」
「え?別に普通だけど・・っていうかさ、みんな今日が退院日って教えたのにこないなぁ・・。
なにやってるんだか。」
「そういえばこないよな。なにかきいてるか、やおと。」
「……何も。連絡もこn<ピピピピピピピピッ>
そのとき、実のアニコンにメールが届いた。
『件名:緊急メール 実ちゃん、もう病院出たころだよね?
大変なことになったの!悪いけど、すぐに広場に来てくれる?事情は行けばわかると思うから、お願いね! 楓』
「楓ちゃんからの緊急メールだ!」
実は驚いて、そしてどこかうれしそうに言った。
「は!?何かあったのか?」
驚くことねに、笑いかける実。
「行けばわかるって!!」
「広場に行ってみるか。」
「…うん」
3人はすぐさまワープを使って広場に行く。
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…………
その光景を見たとき、3人はしばらく息をとめて無言であった。
「…か…か…か……か…かわえええええええええええええ!!!!!!!!」
ためにためまくって実は叫んだ。
その言葉のとうり、広場にいたものはとってもかわいかったからだ。
「ちょ、実さん!状況見てみて!どう見たっておかしいでしょ!」
最初に反応した新八は言う。
広場には、アニメニーズとその愉快な仲間達が数人。
アニメニーズの一部が仲間達と対峙して警戒している。
もういっぽうのアニメニーズはその仲間にくっついて、おびえている。
確かに、カオスな感じだった。
だって…だってさ…アニメニーズが……
子供になっているんだもの!!!!!