スコーン注意報!

映画の出番しかりで、テンションの下がりがちだった彼らだが、やはりすぐにもとにもどるようである。

 

「あ、そうだ、今日はスコーンを作ってきたんだ。べ、別にお前らのためじゃないからな!」

「!」

その言葉にさらに空気が固まる気がしたが・・・。

「ば、罰ゲームにならないかもしれないが、割れなかった奴は一人一つな!あとは二つずつだ!え、遠慮するなよっ!」

(えええええええええええええええええ)

スイカ割りの罰ゲームは割れなかったものは割れたもののいうことを聞かなきゃならないというルールだが。

(それ、割ったほうが逆に罰受けてるみたいじゃないかぁぁ!!)

割れたものに対して2つはサービスで、割れなかったものには罰として一つ減らしているから食べろよみたいな感じなのだがなんせものがアーサーのスコーンなのだ。

これは、形勢逆転といっても過言ではない。

(いやいやいやいやいやいやいやいや)

(善処します!)

「え、遠慮なく食えよ!!」

アーサーのデレ発動!!それあってもどうしようもなくー・・・

 

 

 

暗転

 

 

 

 

 

ここは、某所の一室。

ある男は、ジャケットをしょって部屋をでていこうとする。

「あら、どこかにでかけるの?」

大人びた女性が男に話しかける。雰囲気的にいえば

恋人とかそういうのではなく、仕事の仲間みたいなものだった。

「ああ、ちょっと面白そうなところにね」

その男は楽しそうに言う。

「また、袋にいくの?こりないわねぇ」

「いや違うよ。」

「?」

女性は首をしかげる。

「じゃ、いってきまーす♪」

「あ、ちょっと・・!」

<ガチャン>

扉のしまる音がする。

「はぶらかされた・・・。」

 

 

もどって海。

 

「し、しぬかと思いました。。」

「みなさん、大丈夫ですか。。」

「ひどいなぁ。スコーンは駄目だよ」

新八、菊はかろうじて目を覚ます。

そしてイヴァンは不満をもらし、コルコルしている。

半数はまだ気絶したままだ。

「アーサー!君はまた死人を出すつもりなのかぃ!!」

「なっ!何言ってんだよバカぁ!!こんなに喜んで・・・!」

「・・・君は一度病院に行った方がいいんだぞ。頭の。」

「・・・・・なんだと・・・!このっ」

アーサーとアルフレッドが喧嘩を始めるや否や、

「みなさん。ごきげんうるわしゅう。」

なんというか、天使のような声が響き渡る。

「これはなにごとなのだっ!」

「バッシュ!?」

「と、リヒテンじゃないか」

中立のこの二人の登場である。

「みなさん、お休みですか?」

「いや、これはそのー・・・。」

新八は困ったように口をごもらせる。

「みなさん、騒ぎすぎてしまったようで・・・。」

と、菊。

「そうか。それは残念なのである。」

「そうですわね。お兄様。せっかくナンジャンタウンでの人気フードやデザートをもってきましたのに・・・」

そのリヒテンの言葉に自体はまた一変する。

一部を除き、ほぼ一斉に起き上がる。

「あ、おきた~」

 

食べ物には敏感なのが彼らのポリシーである。