出会い


ざぁぁぁー・・・

「はぁ・・・はぁ・・・」

バシャ バシャッ

二人の男女が
雨の中を走っている。
一人は赤髪の長い、キリッとした目を持つ女。
もう一人は背が低く、セミロングな蒼髪でおしとやかな雰囲気を持つ男。

ドシャャー!

何かに躓いたのか、
男が転んだ。

「ーっ!」
「オイ!大丈夫か?!」
「-う、うん平気」
「急ぐぞ!」
「うん!!」


また二人は走り出す。

 

Take1  出会い

 

「ん・・・」

俺はめがさめた。

ここは・・?確かあいつらから逃げてきてそれで・・!!やおと!?

隣を見ると規則正しい寝息をたてて寝ていた。

息をつき安心するのもつかの間、

「やおと!やおと!おい!やおと、」

「なに?ことねえ?」

そのままの体制でいうおとや。

「なにじゃない、逃げるよ!」

「ここは・・?」

見たところ何の変哲もない普通の部屋。

「奴らに捕まったのかもしれない。ここから出るんだ!」

「うん、でもここは平気、だと思う。。僕ら縛られてないし、怪我もきちんと手
当てされてるんだ。だから、奴らじゃないよきっと。」

おとやはいう。
こいつはこういうところに機転がいく。

「確かに手当てはされているな。だが安全とはいえん、ここにいるわけにもいか
ないだろ。」

俺らにはやらなきゃいけない事がある。

「そーだね。早い事アニメニーズを見つけないと・・。」

「あぁ、行くぞ!」

「うん」

おとやが立ち上がる。その時だった。

<ガチャ>

ドアがあく。

「!!」

反射的に前にでる。

「「あ・・・!」」

二つの声が重なった。

「よかった-!目が覚めたんですね!」


(まさか、こんなに早く接触するなんて・・・。)

本当に思っても見なかった。
だが、ちょうどいい。
二人もアニメニーズが目の前にいるなんて。
これ以上いいことは無い。

「俺はことね、こっちはおとやだ。・・・助けれくれたようだな、礼を言う。」

「良かったー。もう大丈夫みたいだね。」

笑顔でアニメニーズの一人、月島きらりが言う。

「そうだな、どうなることかと思ったよ。」
「ですぅー。」

この二人は雪野のえると花咲こべに、というらしい。
(3人は元milkywayのメンバーでとっても仲良し♪)

「ねぇ、二人はどこから来たの?この事務所の前に倒れてたって聞いたけど。」

アニメニーズの夢野歌。

言い忘れたが、ここはアイドルの事務所。
きらりちゃんやシップスを初めとする人気アイドルが所属している。
歌ちゃんも別の事務所だが、アイドルをしているみたいだった。


口を開こうとした瞬間。
「のえるちゃん、こべにちゃんちょっといいかな。」

「は、はい。」
「はい!」
「わりーな、後で聞かせてくれ。」
「残念ですけど、行きますですー。」
「うん!二人とも頑張ってね☆」

二人は社長さんに言われていってしまった。
残念だが、話の都合上仕方ないよ。←

部屋にはきらりと歌、ことねにやおと。そしてなーさんが残った。

暫く沈黙が続いたが、ことねが口を開く。

「・・・率直に聞くが、お前らアニメニーズか?」

「!!」

2人と一匹は驚いた。
アニメニーズということはアイドルである二人には世間には秘密にしているからだ。

「なんで分かったの?」

きらりが聞く。表情も変えずにやおとが答えた。

「それ・・・。」

指を指した先にはリストバンド。
そう、アニコンである。
もちろん、アニコンの事はファンには公表していない。

「もしかして・・・。」
「て、敵なの?」

表情を曇らせる二人。

「だったら?」

その言葉に硬直する二人だが次の瞬間。

「ななっ!」

なーさんがことねの顔に飛びついた。
たじろくことね。

「うわっ!何だこの猫?!」

顔に飛びついたなーさんを放そうと手をのばす。
だが、以外に力強くなかなか離れない。
それをみてやおとはあわてるようにでも静かにいった。

「ち、違うよ。敵じゃない。」

「どういうこと?」

歌は疑問に思っていう。
突然現れたこの二人は何者なのだろうか。

「プハー・・。」

ようやくことねはなーさんを離せれたようだ。
ちょっと引っかき傷が残っていた。

「…お前たち、アニメニーズに話がある。…俺たちをかくまってくれ。」

「「はい?」」

二人はあまりのことに首をしがけて、互いに顔を見合わせた。


+++++++

場所変わって広場
そこにはアニメニーズが集まっていた。
普段、広場に集まる事はめったに無い。
それぞれ仕事に学校に忙しいからである。
それだけではなく、ただ来るのが彼らにとっては面倒であるからだ。
定期的に会ったりとかそういうことはしないで連絡があったりしたら行く。
その程度のことであった。
そして、今回集まっているのは他ならぬ、光夜に
「お前ら、今日広場に行けよ。新展開がある。このまま敵さんに振り回されるのもこりごりだろう。
絶対面白いからさ、絶対いけよ!!」
なんてあるまじき通信が来るわけだから、NOとはいえないのであった。

 

次回はーことね、やおと&アニメニーズの接触!二人の目的は・・・?

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