宇宙からの訪問者

あの日から数日。アニメニーズは何事も無かったように普通に過ごしている。
ただ一つ変わったことといえば、腕についてるリストバンド…「アニコン」があることだけだ。さてはて、これからアニメニーズにどんな事が待ち受けているのだろうか…?

1

どこかの宇宙船ー…

「お坊ちゃま、もうすぐ帰るお時間です。おしたくを。」
「…やだ、まだココに居たい。」
「しかし、お母様が心配なさりますぞ。」
「……」

そこには7,8才くらいの男の子とその執事。
男の子は宇宙の向こうにある青い星ー地球を見ていた。
“あの星に行ってみたい”と男の子は思っていた。
自分の星しか知らない彼は別の星にも行ってみたかったし、初めて地球を見たときー一度でいいから行ってみたい…と心で強く思ったものだ。

「…分かったよ。キムじい。」

しかし自分はまだ幼い。そこに行くにはまだ時期が早かった。
“また来よう”そう思って自分の星に帰ろうと思った。
だがそのとき…

<ビコーン ビコーン>

宇宙船の警報機が鳴りだした。

「何?」
「お坊ちゃま、おちついてください、今処置を。」
「え?」

彼は良く分かってはいないが、“危ない”ということが頭によぎる。
彼はキムじいの服の裾を握った。

「大丈夫なのか?」
「…ええ。大丈夫ですよ。」

キムじいはそれだけ言うと画面に集中した。


<ビコーン ビコーン      ビコーン…>

音は次第に小さくなり、やがて止まった。
二人は安堵した。

しかし。

《ぐらぁ》

宇宙船が急にゆれだした。安定が取れなくなっている。

「何?処置したんじゃないのか!?」
「申し訳ありません!どうやら惑星の一部がこの船にわずかですが…一部破損したようですな。」
「言ってる場合じゃないだろ!?何とかっ…ッわァ!!?」

船が勢いよく揺れた。その勢いでバランスを崩し、しりもちをつく。

「キムじい!!!」
「やむえませんな!」

キムじいは舵を勢いよく回し、不安定ながらも宇宙船はある星に向かっていた。
そうー

地球へと…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


アニメの里の東京ーそこにはでっかい屋敷が点々とある。その中でどどんと真ん中に位置し、すごい広さをもつ上位に入るほど大金持ちの家ー三千院家があった。
そこには、その三千院家のお嬢様、三千院ナギとその執事の綾咲ハヤテ。
それにメイドのマリアと執事長のクラウス、ペットのタマが住んでいる。
簡単に説明すれば、“ハヤテのごとく”の登場人物で多額の借金を抱えている主人公ー綾咲ハヤテがナギと出会い、借金返済の為、お嬢様を守る為、執事として厄介になる。
ドタバタラブ&ギャグコメディだ。

その屋敷の一室に二人はいた。

<ビーコン ビーコン ドカーン  …  タラッタッタッタッ♪>

巨大スクリーンに《game over》の文字が浮かぶ。

ナギ「む~~」
ハヤテ「…また、僕が勝っちゃいましたね…。」
ナギ「…もう一回だ!」
ハヤテ「またですか?何回やるんですか!?」
ナギ「決まっている!私が完勝するまでだ!!」
ハヤテ「でももう2時間はやってますよ。そろそろお茶にしませんか?」
ナギ「…もう一回!アト一回でいいからやるんだぞ!!?」
ハヤテ「お嬢様~」(もう何回目だろうか…)

と、そのとき…<トントン…ガチャ>
ドアをたたく音の直後にドアを開ける音が。

「二人とも、お茶入りましたよ。」
ハヤテ「マリアさん!すみません、ありがとうございます!」

部屋に入ってきたのはメイドのマリアだった。

マリア「いいんですよ。さぁ、お茶にしましょうか。」
ハヤテ「はい!行きましょうかお嬢様。」
ナギ「……」

ナギは巨大スクリーンとゲーム機をちらみして
ナギ「…10分だけなら…。」
ハヤテ「はいはい…」
マリア(やりましたね。ハヤテ君。)
ハヤテ(助かりました、マリアさん…)

二人はアイコンタクトを交わす。

庭にてー3人でくつろいでいる。
ナギに関しては飲み終わったら続きだ!とほざいている。

ナギ「ところでハヤテ、それいつまでつけているのだ?」
ハヤテ「え?」
マリア「そういえばそうですよね。」
ハヤテ「えと…」

~回想~
それぞれアニメニーズが帰路につき、落ち着いた頃。(ハヤテVer.)

僕は気づいたら三千院家の自分の部屋のベットで寝ていた。
何があったか思い出そうとするけど、その光景があまりにも複雑すぎて思考停止。

ハヤテ(なんかとてつもなく嫌な夢を見た気がする。)

ふと気づく。腕についているリストバンド型の機械。
コレは夢に出てた…って夢じゃないんじゃ…。
懸命にあった出来事を思い出してくる。

ハヤテ(アニメニーズ…本当になってしまったのでしょうか…?)

取り合えずコレは外しておいた方が。
リストバンドに手をかけた。まさにそのときだった。

<ピピッ>

音が突然鳴って『あーあーマイクのテスト中マイクのテスト中ー。聞こえてるかなぁ~?アニメニーズ諸君。おきたころかなぁ~?アニメニーズ諸君。」

なんて声が。通信でしょうか。何もしゃべらないでおく。

『うん、大概は聞こえてるみたいだな。あ、腕についてるリスバンはぜってー外すなよ。…っていっても外せれないようになってるし。』

しばらくしてまた声がした。…外せれないってどういう…。
リストバンドを外そうと手をかけると

<ビリリッ!!>

「わっ!」
突然の静電気。思わず声が…。

『今外そうとしたヤツァホントおっちょこちょいだな。』

大きなお世話です。

『いいかそいつはアニメニーズの証ってのは分かってると思うが、たくさんの機能がついた特注品だ。今はリストバンド型だが、コンパクトにもなる。だからアニメニーズコンパクト、略して“アニコン”だ』

アニコンって…なんですかそのネーミング。

『アニコンには時計やいまやっている通信、ワープを初めとする便利な機能満載で、防水がついていてはだにやさしいから、ずっとつけててもなんらもんだいはない。そう簡単には壊れない。』

その声は淡々と話す。たぶん光夜か白飛だろう。

『むりやり外そうとすると死ぬからな。他のは使っていくうちに分かれ!じゃ、健闘を祈る!!』
<ブチッ>

いうだけ言ってすぐに切られた。…このリストバンド…アニコンがなんとなくすごい事は分かった。ですけど…

一方的すぎです。

…外す事はできないんだよな…
他のメンバーもそう思ったことだろう。

~回想終了~
ハヤテ(しかたなくつけてるんですけど)
   「えと…コレは結構丈夫で防水も付いてるみたいですからずっとつけていても平気ですよ。」
ナギ「そうなのか?」
ハヤテ「はい、時計とか通信とかできて、結構便利で外せれないんですよね…。」
ナギ「ふーん。」

しばらくしてー

お茶を終えた二人は部屋でゲームの続きをしている。

ハヤテ(わざと負けましょうか?どうしよ)

前例の件があるためそんなことを考えていた矢先。

<ビコーン ビコーン ドカーン ビコーン ビコーン ドッカァァァァン

いきなり音が大きくなり、地面が揺れた。

ナギ「ハッハヤテェ!!?」
ハヤテ「大丈夫ですよ、お嬢様。」

それはすぐにやんだ。

ナギ「何があったのだ?」
ハヤテ「地震…でしょうか?」

<ガチャ>

マリア「二人とも、無事ですか!?」

ドアを開けて入ってきたマリアはそういう。

ハヤテ「ええ、平気です。」

ハヤテがそういうと

「おい!外来てみろ!」
ナギ「ワタルか?」
ハヤテ「外でなにかあったんですか?」
ワタル「とにかく、大変なんだ!!」

話しに入ったのはナギの友達であるワタルだった。
4人は屋敷の外へ。

外へでるとそう遠く無いところに立ち煙が。

ハヤテ「あれは…。」
ワタル「宇宙船だ。急に近くに落ちてきたから死ぬかと思った…。」
ナギ「宇宙船?なら早く行くぞ。けが人がいるかも。」
ワタル「…俺の心配はナシかよ…。」

4人はすぐさまその宇宙船に向かう。

ハヤテ、ナギ、マリア、そしてワタルの4人は煙のあるほうへ駆け出した。
そこには巨大な宇宙船。

「お、やっときよったか。」
「若!」
「ハヤテ君…ナギ…。」

「咲夜さん」
「さき!」
「伊澄ではないか。」
「皆さん来てたんですね。」

ハヤテファンならどの台詞が誰だか分かるはず。
なにはともあれ7人がこの場にいる。

「この宇宙船の持ち主は無事なのか?」
「さあな。」

その直後。

<ガシャァァ…ガタガタ…>

煙の中から物音が。
煙が晴れてようやく見えたのは一人の老人とその老人が抱えている小さな男の子だった。

「すいませんなぁ、おせがわせいたしまして。わたくしこの太一お坊ちゃまの執事をしております、キムじいと申します。以後お見知りおきを。」

「どうもご丁寧に。わたしはマリアといいます。」
「綾咲ハヤテです。」
「三千院ナギだ。」
「愛沢咲夜や。」
「伊澄です。」
「ワタルだ。」
「サキといいます。」

一通りの自己紹介がおわり。。

**************

しばらくの後。

辺りは薄暗くなってきている。

咲夜「じゃ、あたしらもうそろそろ帰るな。」
伊澄「またね、ナギ。」
ワタル「じゃーな」
咲夜「太一によろしく伝えとってなー。」
それぞれ帰路につく。
ハヤテ、ナギ、マリア、キムじい、そして太一が残った。
太一はまだ眠っている。
マリア「ナギ、どうします?」
ナギ「今日はココでとりあえず泊まらしてやろう。」
ハヤテ「そうですね」
キムじい「恩に切ります。」

***********

次の日の朝
6時ごろ太一は目を開けた。目の前には見慣れない天井。
太一(なんだ?どこだここ)
ゆっくりと体をおこす。広い部屋に広いベット。
太一(へぇー、まぁまぁな部屋だな。)

<ガチャ>

するとドアが開く。

太一「キムじい!」
キムじい「お目覚めましたか、太一坊ちゃま。お体の調子はどうですか?」
太一「ああ、俺は大丈夫だけど…何があったんだっけ・・っていうかココどこ?」
キムじい「(少し記憶がないようですな)ここは地球でございます。」
太一「地球…?何で?え、マジでか。ココが?」
キムじい「さようで。宇宙船が直るまでの間、この家の人たちに厄介にする事に「あ!」
キムじいの言葉に太一は何か思い当たったようだ。
太一「そーだ。宇宙船が壊れて地球に着たのか!ってことは俺は地球に。すげー。スゲーよ俺とうとう来たんだ!地球に来ちまったぜ!どーいうとこだろ。やっほー!!」
地球にいる事が分かり、はしゃぐ太一。

「お嬢様ー;今日こそは行ってもらいますよ。」
「いいではないか、今日は。あの太一とか言う奴の相手をしてやるのだ」
「ですけど、マリアさんやキムさんに頼んで・・」
「わたしが相手をしたいからするのだ。」

はしゃぐ太一の耳に聞こえた男女二人の会話。
この部屋に近づいてくる

太一「キムじい」
キムじい「あの声の方々はこの屋敷の人でございます。ご安心を。坊ちゃまや私めのことは昨夜にお話しました。」

<ガチャ>

ナギ「起きた…か!太一というもの。私は三千院ナギだ!今日は貴様の相手をしてあげるぞ!」

ナギは入ってくるなり言った。

ハヤテ「お嬢様、学校もうすぐ始まるんですけど…」

と後から入ってくるハヤテ。

太一「おい、そこの二人。」
ハヤテ「はい?」
ナギ「なんだ?」

太一は二人を見るなり口を開く。

太一「お前らが地球人か」
ハヤテ「は、はい」
太一「じゃあ地球の事教えてくれよ。あ、手始めにそのガッコ?ってとこ知りたい。案内して。相手さしてやるからさ。」
ハヤテ「はぁ…」
太一「それとそこのひんそーなやつ。名は?」
ハヤテ「え?僕ですか?あ、綾崎ハヤテですけど。」
太一「何か持ってきて。おなかすいた」
ハヤテ「ぇ。」
太一「もってこい」
ハヤテ「は、ハイィィ!」

ハヤテはその場を去る。素直にしたのは執事としての勤めか、太一の迫力か。。

ハヤテが去った後。

ナギ「おい、お前。」
太一「なに?」
ナギ「地球に来るのは初めてなのか?」
太一「ああ、ずっとあこがれてたんだ。あんたでいいからさ、いろいろ教えてくれよ。地球の事。」
ナギ「おお!わたしに任せろ!」

その様子をキムじいはほほえましく見ていた。

**********


マリア「へぇー大変ですね。」

ハヤテから事情を聞いたマリア。

ハヤテ「大変どころじゃないですよ。また負担が増えると思うと…。なんであんなタイプばっかりでてくるんでしょうか。」
マリア「・・・・・・」(ハヤテ君、しかたないですよそんなせっー体質なんですから)
 

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