第2章 第8話   プレイス

「イタタタ・・・」

キョン達が助けた女性はお礼をいい、すぐにその場を去ろうとしたところ派手に転んだ。

それを見て、キョン達は彼女のもとへ行く。

「おい、立てるか?」

「・・・・・」

そう聞いても彼女はしゃがみこんだままで動かず、一点を見つめていた。

その方向をみると、なにやら生き物が倒ている。大きさは・・・ねこくらいの小さな動物だ。

この位置からは遠目で姿ははっきりしないが・・・

すると彼女はその生き物のもとへかけて行った。

 

「キュー・・・」

「大変!怪我してる・・・!」

その動物は例えればプリキュアの妖精のような容姿をしていた。

だがその可愛らしい兎のような姿に似合わず怪我をしている。

すぐあとに駆け寄ったキョン達もその姿に驚く。

「・・・これは・・・プレイス!?すぐに治療しないと!」

ヒールをつかい、治療をしていく菊。

「・・・大丈夫なのか・・・?」

「・・・・・毒をあびて・・・一刻を争います・・・!」

「なっ・・・!?」

「キュアボトルとかどくけし草的なのない!?」

「今は、持ち合わせていません」

「そんな・・・」

「急いでグリーナに向かおう。もうすぐそこだからな」

「は、はい!」

一行はグリーナに向かった。

 

 

 

 

 

グリーナってどんなとこ? 

こなた「今向かってるグリーナってどんなとこなのさ、すぐに休ませれる場所とかあったりするの?」

菊「グリーナは植物や農家で有名なところと聞いてます。毒を直す薬はおそらくたくさんあるでしょう」

キョン「・・・なら大丈夫だな・・・急いでグリーナにいくか!」

銀時「そうだな、グリーナはすぐ北の方向にある」

 

そして・・・・・

 

「ここが、グリーナ?」

「ふーん、のどかなところかと思ったけど普通の町と変わらないかも。」

「宿屋にいこう。宿屋はここらか北西のところにあるよ」

 

宿屋

ひとまず、ベットにプレイスを寝かせる。

「私、誰かよんできます!」

「わ、私も行きます!」

どたばたと、少女と菊が宿屋を出て行った。

「はぁ・・・まさかあんなとこにプレイスがねぇ…」

「そんなに珍しいの?」

「ああ。・・・って、こなた知らねぇのか」

「へ?・・・うん!…まだ旅に出て間もないから」

「普通、プレイスはこの辺りに住んでないんだ」

「ふぅん」

こなたが知らないのは当然だろう。

無論、キョンも知らないのだが。

「・・・キョン、プレイスはどうだ?」

「・・・!あ、安定はしているが・・・」

「・・・そうかい。」

「・・それと」

 

<ガチャッ>

 

そのとき、宿屋の部屋のドアが開いた。

どうやら菊と少女が戻ってきたようだ。

 

「あ、あの!プレイスがいるって本当・・・ですか?」

 

もう一人、ショートヘアーでおかっぱ。ファンタジーな世界だというのになぜか着物。

そしてうつむき加減でおずおずと尋ねる・・・これまた少女が入ってきた。

 

「良い子連れてきたよ!これでプレイスも大丈夫だと思う!」

「あ・・・私は、杜山しえみっていいます・・・!どくけし草・・・持ってきました」 

 

 

 

ーーーーーーーーそして治療が行われた。

 

 

「大丈夫かな…プレイス」

「平気だろ、そんな簡単にくたばるかっての」

「あのプレイス、本では見たことありません。何の種類でしょうか」

「さあな。・・・妖精だとは思うが」

 

「よし・・・。あとはよろしくね、二―ちゃん!」

「二―!」

しえみ の肩の上に乗っていた緑の小さい生き物が飛び出した。

「あれは・・・!」

(へぇー、そこはかわらないんだ)

「魔物・・・か、魔物を飼ってるってことは素質はありそうだ。」

「・・・・・」

 

ーーーーーー

 

「ふぅ・・二―ちゃんお疲れ様!」

二―ちゃんと呼ばれた魔物はしえみの肩の上に戻る。

そしてキョン達の方に向き直り、少し緊張している様子だがはっきりと言う。

「もう大丈夫です。毒も取り除きました。・・・あとは少し安静にしてもらえれば、いいです」

「よかったぁ~!ありがとう!しえみちゃん!」

真っ先にしえみに近づき手を握ったのはあの少女。

「え/////あ、はい。私は・・・当たり前のことをしただけで・・・」

しえみは赤面し、ますます緊張した趣になる。

「あ、あの・・・手・・・」

「!あ、ごめんなさい!いやだった?」

「そ、そうじゃないです!そんなに喜んでくれてうれしい・・・!・・・えと」

「・・・!?そういえば言ってなかったね。私は南楓!本当にありがとう!」

「ど、どういたしまして。南さん」

「楓でいいよ―!年も同じくらいだしさ!」

「じゃ、じゃあ・・・かえで、ちゃん、」

「よろしくね、しえみちゃん!」

「は、はい・・・!」

 

「・・・なんか俺ら置いてかれてね」

「名前も聞いてなかったしねー(知ってるけど)」

「プレイス・・・回復してからでも見ていていいでしょうか・・・」

菊は考える方向が別だ。

 

「は!ごめんなさい!私、プレイスのことになると目の前が見えなくなっちゃって・・・!」

「・・・いいですよ。そういうこともあるでしょう(実際いるしな)」

「聞いてたかもしれないけど、私は南楓。ちょっと用事があって首都に向かってるの」

「俺は坂田銀時、こっちがキョン。」

「私はこなた!よろしくね~」

「本田菊といいます。このこはポチ君です」

「キャン!」

「首都かー・・・私たちも首都に向かってるんだ」

「・・・!本当に・・・!?」

「まぁ・・・・・な。」

「だったら首都まで一緒に行きませんか!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

「そ、そうですよね!急にこんなこと・・・・・・・・・失礼ですよね」

「・・・・・・・」

「で、でも・・・・・・!!私、役に立ちますから!それに首都まではすぐそこの洞窟を出ればすぐです!それなら、いいですよね!首都に着いたら私は私の用事をしますし!!」

ーチャラチャラチャラチャラー♪

ー楓が勝手に仲間になったー

「・・・っておい!!」

「いいんじゃない?大勢の方が楽しいしさ♪」

「私も賛成です。戦力は大いに越したことありません」

「・・・・・俺はどっちでも」

「多数決でも決まりじゃない!ちょっとの間だけどよろしくねー!」

「・・・・・たく、首都に着くまでだからな!」

「じゃあちょっと早いけど、私たちも休もうか。」

話がまとまったところでこなたが切りだす。

「ああ、そうだな」

「そうですね・・・身体も疲れてきましたし」

それにキョン、菊は賛成する。本人は覚えてなさそうだが・・・疲れるのは妥当だろうか。

今夜はこの宿屋に泊ることとなった。

「・・・あの、私はこのこのこと見ておきますね。」

「私も手伝うよ!」

「あ、ありがとうございます///楓ちゃん・・・」

しえみと楓はプレイスの看病をすることに。

「あーたる・・・さっさと部屋に行こうぜ」

他の4人も、部屋に向かった。

 

次の日、まさかあんなことが起きるなんて、この時は誰一人思ってはいなかった。

もうすぐ、なんとなく過ぎていく、平凡は終わりを迎えるー。 

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