ドラゴンが2度目のかえんほうしゃを解き放つ。
もう駄目だと、その場にいた誰もが頭をよぎった。
「たああああああああ!!!!!」
<ぐおおおおお!!!>
・・・・・・・・・
一瞬のことだった。
声を高らかにあげながら何かがドラゴンの頭上に現れ、その衝撃によって放たれたかえんほうしゃは銀時たちをはずして地面にあたった。つまり、銀時たちは難を逃れたのだ。
「!!?」
「はずした・・・!?」
「・・・・!?」
それに3人は驚愕の顔を浮かべる。
龍の頭上から、何かが降りてくる。
銀時たちの前に降り立つ。
「ふぅー良かった!間に合った!!」
「・・・な」
「女の子・・・?」
「・・・・あいつは・・・確か・・・」
現れたのは、女の子。青髪で長髪で小柄だが、明らかに他にはないオーラを放っている。
手には大きな剣をもち、服装はどこかでみたことあるような制服。振り向いてドラゴンをみれば
「へぇー!ドラゴンが本当にいるなんてねぇー、すごいじゃん!さすがRPGぽい世界!」
そんなことを呟いて、銀時達の方に顔だけ向ける。
「まぁあとはあたしにどどーんと任せちゃてよ!あ、援護はお願いね!!」
彼女はドラゴンに向かって大剣を振りかざす。
効いているようだ。
「なんだ、あいつは・・・」
「銀時君、治療を!応戦しましょう!」
はんば呆けていた銀時は菊の言葉で我に返る。
「・・・・女の子一人で戦わせるわけにはいかんからな」
全快ではないものの、応急手当を受けたキョンは銀時の前に出てライフルをドラゴンに向ける。
「・・・・・パフェ!」
銀時の傷は回復していく。
「・・・お前は大丈夫なのか」
「(パフェで回復ですか・・・)ええ、さっき自分にもやりましたから」
「・・・なにものなんだ、あいつは」
「・・・キョン君の知り合いでしょうか。」
「後で聞くか、さっさとやっちまおうぜ」
「そうですね。・・・塩鮭!!」
キョンの呟いたことが気になるようだが、戦いに参戦する2人だった。
「たぁあああ!」
その少女の渾身の一撃により、ドラゴンは力尽きた。
「や、やったのか・・・?」
「・・・・・ふぅ」
「あいつらは・・・もういねぇか。。」
あたりを見渡すが、あの5人組はすでにいなくなっていた。
「いやー危ないところだったねぇ!」
「・・・あの、ありがとうございます。助けていただいて」
「・・・ああ、正直助かった」
「ありがとな。」
「いいよいいよ!そんな大したことじゃないしさ!・・・・・それよりさ、あの子は・・・」
青髪の少女が剥いた方向を見ると、みくるがこちらにかけてきていた。
「みなさんー!」
「キャンキャン」
ポチ君もみくるに抱えられてやってくる。
「朝比奈さん!」
「ポチ君!」
その姿を確認して安堵する。
「・・・・・ここではなんだ。宿屋にいくか。」
ー宿屋。ロビーにて
「あ、あのありがとうございました!また助けていただいてしまって・・・」
うつむき加減にみくるがいう。
「気にしないでください、朝比奈さん」
「俺たちはあいつらが気に入らないだけだ。」
「・・・怪我もなくて良かったです。」
「いやぁ、話はよく見えないけどさ!あのドラゴンと戦ってたのはみくるちゃんを助けるためだったんだね!」
「・・・・・」
「どうしたの?」
「あの・・・私、あなたに名前教えましたっけ・・・」
「あ~えっと・・・町の人に聞いたんだよ!」
「・・・」
キョンは何かに感ずいているようだ。
「それより自己紹介がまだだったよね!あたしは泉こなた!冒険者ってとこかな。よろしく!」
「・・・そのかっこうでか?変わってるな・・・」
「!そうそう!!気に入ってるんだよね、これ」
泉こなたーらき☆すたの主人公でお気楽で破天荒。ハルヒほどではないが・・・。
アニメおたく。
ちなみに着てるのは稜桜高のセーラー服である。
「きょ、君も変わってるというか・・・なんか親近感わくねぇ」
「お、俺?」
「うん!」
行って見ればキョンも北高の制服でそれ以外の服はもちあわせていない。
(ていうか今更かよ…)
「確かに・・・どこで仕入れたんだよそんな装備」
「・・・・・あーえと気づいたらこうなっていたというか・・・」
「ま、いいか。この話は。装備なんて金ためればそれなりにはなるし。」
「それで・・・話は戻りますけど・・・。みくるさんはなぜ狙われてるんですか?」
と、菊。話がそれてしまったが、ここからが本番だ。
「それは・・・おそらくこれが原因だと思います。」
みくるが取り出したのは、一つの宝石・・・のようなもの。
色は無色・・・というより透明で、銀色の輪にはめられている。
とてもキラキラしていて大きさは卓球のボールくらいのものだ。
「ほうこれは・・・」
「・・・これが高価なものでしたら狙われるのも納得できますね。」
「高価なものかどうかは知りませんが・・・ある日私の部屋にあったんです。両親がしってると思ったんですけど・・・二人とも見覚えがないみたいで・・・。なので詳しいことは・・・すみません・・・・・」
「き、気にしないでください。」
「問題なのは、これが何かってことだよね。」
「だよなぁ。連中に狙われるんなら、何かあるんだろうが・・・」
「・・・私もよくわかりませんね。」
それぞれが思考をめぐるが、何かは一向に分かりそうにない。
「・・・・・くるみさん、これもってみてもいいかな?」
「え、ええ・・・いいけど」
こなたの案にみくるはうなずき、こなたはその宝石?を手にした。
そのとき、ほんの一瞬だが、それが光ったのをキョンは目にする。
「うーん・・・特に変わったところはないね。」
「・・・こなた、俺にもちょっと見せてくれ。」
「キョン?いいよー。いいよね、くるみさん」
「え、ええ・・・」
「はい」
キョンはこなたから宝石?を受け取った。
「!?」
ピカ ピカ ピカ・・・
「・・・・・おお!!光り出した!!」
「な、なんだよキョン!何かしたのか!?」
「・・・・・し、知らん!勝手に・・・!」
その宝石らしきものはキョンの手に渡ったとたん、光がでて点滅しだしたのだ。
「みくるさん、いままでにこんなことは?」
みくるはこなたからの問いに首を振る。
「ない、ないですぅ」
「・・・もしかして・・・キョン君、その宝石離してもらえますか?」
「あ、ああ・・・」
キョンは元にあった場所にそれを戻した。
とたんに、点滅していた光が消えて元にもどった。
「・・・失礼します。」
菊は、それに手をやる。
「・・・・・・・・」
何も起きなかった。
「・・・・・これは推測ですが、この宝石のようなものとキョン君は何かかかわりがあると思われます。たとえば・・・・」
「・・・本当の持ち主とか?」
菊の言葉にこなたが反応する。
「いやいや、それはないですよ。今初めてみたもんにかかわりがあるとは・・・」
「いえいえ、よくあるんですっ。ある場所に行ったら、ある出会いをしたら突然おかしな力を手に入れるとか。」
「菊さん・・・なんかゆがみないな、そういうとこ」
「故に、今私はとてもwktkしています!!胸にこう・・・なにかがこみあげてくるような・・・!」
「分かる!分かるよ菊さん!!私いますっごいドキドキしてる!!」
「・・・・・・・なんだこの二人・・・」
それに呆れる銀時。
「・・・・(さすがオタク№1と№2・・・)はぁ・・・色々起きすぎてわけわかんねぇぜ・・・」
「き、キョン君・・・」
もういろんな意味で頭いっぱいなキョンにみくるが話しかける。
「・・・・・これ、もっていってくれませんか?」
「・・・は?」
これ、というのはもちろんあの宝石のようなものである。
「おい、みくる。お前不幸をキョンに押し付けようとしてねーよな」
「ぎ、銀時」
ま、当然の反応である。
「ち、違います・・・。キョン君に関係があるんならキョン君が持っているべきじゃないかと思ってぇ・・・」
涙目でいうみくる。
「いい案じゃないですか!?キョン君が・・・私たちがもっていればみくるさんはもう狙われることはないと思いますよ。」
「そうだね~」
「・・・・・お前ら・・・人ごとだと思って・・・またあんなドラゴンに襲われるんだぞ。もっと強いのがでてくるかもしれない。それでもいいっていうのか?」
「・・・・・分かりました。朝比奈さん、俺がもらっておきます。」
「え、えええ!?いいのかよキョン!?」
「いいさ。何か・・・この世界のことの手掛かりになるかもしれませんしね」
「・・・・・・(この世界の手掛かり…か)」
「・・・・つぅー・・・わーたよ!!勝手にしろ。お前が決めたんだからな。。後悔すんじゃねーぞ!!」
「・・・ああ!!」
「決まりですね!!」
▼キョンは謎の宝石?を手に入れた!!
騒動のおかげで、もう遅いということでもう一晩ファーストタウンで休むことになった。
寝室。
「・・・・・今日もいろいろありすぎだろ・・・。ライフポイントほぼねーよ、俺。。」
キョンは宝石をもって一人つぶやく。宝石は昼すぎと同じようにピカピカ光っていた。
「-ン。」
何かに呼ばれたような気がして、出入り口を見るが特に何もない。
「キョン、こっちこっち」
「おわっ!?・・・こなた・・・?」
声のした方を見ると、そこにこなたがいた。かなり近い。
というかいつの間に入った。
「うん。ちょっと・・・話があるんだけどいいかな。」
「・・・・別にかまわないが。なんだ?」
「ここじゃあなんだから別の場所いこうか。誤解されないように簡単にいっちゃうけど・・・私ぶっちゃけ前の世界の記憶あるんだよね」
笑顔でこなたは言った。
nxst:こなたの話と旅立ち