第2章 第4話 襲来

「 銀時、何見てんだ?」

「ん?」

ここはある部屋の中。

「あー、お前も見るか、キョン」

 床にあぐらをかいて座ってなにかを見ている様子の銀時

そこにキョンが声をあげてそれを後ろから覗いた。

「・・・ギルドメンバー募集のお知らせ?」

銀時は一枚のチラシをもっていて、キョンはそこに書いてあった文字を読む。

「あぁ」

一言だけはっすると、そのチラシに眼をやる。

「町で見かけてもらってきた」

「そっか、」

といいながら踵を返す。

そのとき、銀時が発する言葉をキョンは聞き逃さなかった。

「・・・ギルド、入ってみっかな。」

「・・・・・え?」

始め、その言葉が理解できなかった。

ーなってみよう?ギルドに?

ギルドとはすなわち

一言でいえば人々からの依頼ークエスト、もっといいかえればミッションで生計を立てて生活をしていく仕事の一種である。

「今、なんて・・・・・」

「だから、ギルドに入ろうかってだな・・・」

「・・・・・」

銀時は振り返りキョンを見つつも少し視線をそらしつつ言う。

「えぇえええええええええええ!!!!?」

「!?ちょ、なんだよ。そんなに驚くこたぁねーだろ!?」

「驚く・・・ってかなんで!?」

銀時の発言に、キョンは引くほど驚く。

それは普段の行動から言えることで、一日中家でごろごろと寝たり甘いもの食べたりビジョンを見てるかのどれか・・・

悪く言えば二―トといえる生活・・・である。

「なんでつってもなー・・・」

困ったように眼をそらしたかと思うと正面を向いて言う。

「あ、アレだ。ギルドに入れば稼いだお金でパフェ食べ放題だろ、それに他にもうめぇもんが・・・ぁあ!」

<ドン ドン>

いきなり響いたのは・・・

「ちょ、ちょっとキョン君?」

銀時の目線に見えるのは二丁の銃を構え、銀時に向けているキョン。

彼の奥には、壁に空いた二つの穴があった。

「ここ、お前んちだろ。それにこんなとこで打ったら近所<ドン>

今度は銀時の真上の壁に当たる。

「またそんなくだらねー理由でなろうと?」

「キョン君黒!?黒いよっ、おちついて!!ね?」

「これで、、おちついてられ」

キョンの言葉はここで遮られる。

<シュバッ>

「!?」

<カシャンシャン>

二丁の銃が床に落ちる。

いつの間にか、銀時が剣を手にやりそれでキョンの持っていた銃を落としたのだ。

それも・・・眼にもとまらぬ早さで。

「・・・さすが」

「人の話は最後まで聞けって」

「・・・そっちも聞かないじゃないか・・・」

「・・・・・ひかれたんだ・・・なんでかしんねーけど」

「ひかれたって?」

「なんでだろうな・・・俺ァきたねぇことばかりしてきたが・・・こう人の頼みを聞くのも悪くねェなって。それに・・・」

 

 

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(・・・っ!これはないだろう、これは!俺こんなキャラじゃないよな!!?ん?)  

気づけば、ベットの上。

(夢?・・・いやこれは「キャンキャン」

「・・・・ポチ?」

キョンの思考はポチ君によって遮られた。

身体を起こしあたりを見回す。

「・・・・俺は一体。。」

ここはどこなのか、今まで何があったのか・・・。

部屋にあるベットや荷物などからここは宿泊施設とわかる。

(そうか・・・俺は)

「おや、目が覚めましたか」

タイミングがいいと言えばいいのか、菊が部屋に入ってくる。

「・・・・・・菊、さん」(別の世界・・・いや作り変えられた世界にいるんだったな)

キョンは何があったのか思い出す。

「ずいぶん長く眠られていましたが、気分はどうですか」

「良いように見えるのか?」

「いえ、ただ銀時君があなたの様子が変だと聞いたもので・・・」

「・・・・・・そうか・・・あれからどれくらいたったんだ?」

「そうですね。一昨日のことですから・・・」

「・・・!丸一日は寝てたわけか・・・」

「それよりお腹すきませんか?」

「言われてみれば・・・」

「銀時君も食堂にいると思いますし・・・食事にしましょう」

「キャン」

「もちろん、ポチ君もですよ」

二人と一匹は食堂に向かった。

 

「お、キョン。やっと起きたのか」

「銀時・・・」

菊の予想道理、銀時は食堂にいて食事をとっていた。

「まぁ、座れや。せっかくの飯がさめちまうぞ」

「・・・・・ああ」

 

食事なーう。

 

「・・・・さて、そろそろ話してもらうおうか。あの夜のこと」

食事もそろそろ終わるころ、銀時がキョンに問うた。

真剣・・・というわけでもないが、どこか確信をついている。

「・・・・・・」

「あの時、宿屋をすごい勢いで出て行きましたが・・・何かあったんですか」

そこに菊も入ってくる。

(予感はしてたが・・・・・どこからどういえばいいんだ、こういう場合。。)

世界が変わった、なんて言っても信じられる話じゃないだろう。

現に、キョン自身も信じられないことである。

「お前、なんか変だったよなー。何か思うことあったらどんどん吐きだせ。そういう約束だろ?」

(銀時・・・そういやここじゃ親友・・・だったよな。。ええい!なんとでもなりやがれっ!)

 

キョンは長門と話したことを説明した。

世界が変わる前の記憶があることはさすがに言えないが・・・。

 

「・・・で、俺もそんな話聞かされて混乱してたんだな、今も若干してるが・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

二人とも呆けている。当たり前だろう。

嘘は言ってない、嘘は・・・。

「・・・・・世界が変わったねぇ。・・・・歴史や生活その他もろもろと・・・」

「信じがたい話です・・・それなら私たちはそれぞれ違う生活をしていたかもしれないと・・・」

「そいつの話は確かなのか?ただの作り話ってこともありうる」

「だよなぁ・・・はたから見れば信じがたい話だ。・・・・・だが本当らしい」

「・・・・・・・・・・」

ガタッ 

菊は大きく音を立てて勢いよく立ちあがった。

「それ、本当ならすごいじゃないですかぁ!!興味深い話です!」

「菊?」

「いいじゃないですか!世界を回るんでしょう?謎を解き明かすのでしょう?わくわくするじゃありませんか!!」

「ちょwwwテンションあがりすぎゃないですか・・・!」

「やっぱり旅には目的がありませんとね!行きましょう!すぐに!出発しましょう!」

「おいおい待て待て待て。今すぐにか?」

突然のことに立ち上がる銀時。

「今すぐにです!ぐずぐずしてられませんよー!」

菊はテンションが見たことないくらいに上がってる。この姿は、前の世界じゃなかなか見れないだろう。

「落ち着けっての!・・・キョン、本当…なんだな」

「・・・あ、ああ」

「・・・・・・はぁ・・・んで、行くったってどこ行くんだよ。何の手がかりもないじゃねーか。」

「・・・それは、」

二人はキョンの方を向いた。

「・・・っ。なんで俺を見る?」

「いや、だって」

「・・・・・信じるのか俺の話」

「信じるさ。てめーの親友信じねーでどうするってんだ。キョンがそんなたいそ―な話作れるとは思えねーし。」

「はいっ!」

3人の意見は難なく一致した。

キョンは嘘なんて言える柄じゃないし、銀時はそれを見抜いている。菊はただ単に好奇心に触れたのだろう。

「・・・で、これからどうするんですか?」

「そーさなぁ。。キョン、なにか手掛かりはあるか聞いてるか。」

「・・・・(手掛かり?そんなとこ・・・)知るか知るか。その前にどっか行ってしまいましたよ。」

「なっ」

「それじゃあ次にどうすべきか分からないじゃないですか!」

「・・・俺もそれに困ってるんです」

「・・・・・・仕方ねぇ、一旦

 

 

 

<ドオオオオオオオオン>

 

 

銀時の言葉は突然の爆音にかき消された。 

 

 

「な、なんだ!?」

「行ってみましょう!」

 

外へ出てみれば一面砂埃が立っていた。

そして、そこからでてくる一つの影。最初こそ、姿はよくわからなかったが。

「きゃあ」

小さく悲鳴を上げてこけるのは、キョンと銀時には見知った人物ー

「朝比奈さん!?」

朝比奈みくるだった。

すぐさまみくるのそばに駆け寄る3人。

「大丈夫ですか?朝比奈さん!」

「だ、大丈夫です。それより・・・!」

「「「?」」」

砂埃が消えていく。そこをみくるはおびえた様子で気にしていた。

3人も砂埃がまさに消えようとしている場を凝視する。

そこには5つの黒い影。

「朝比奈みくる・・・それを渡してもらおうか」

「い、いやです!!」

真ん中の・・・リーダーぽい人が言うことに、みくるは否定している。

よっぽど大事なものなのか、みくるの両手はしっかりと握られていた。

「・・・よく状況がつかめませんが」

「なんか雰囲気が悪いなぁ、オイ」

「・・・・・朝比奈さん」

「キャン!キャン!」

リーダーぽい人は片手を大きく広げる。

「ならば、力ずくで行くぞ!お前たち!」

「「「「おう!!!」」」」

一斉に向かってくる5人。

 

「「「!!!」」」

キョン、銀時、菊はなんとか5人の攻撃をよける。

(おいおいおい!!!いきなり5人はないだろう!?)

 みくるはキョン達が先程までいた食堂に走っていきなんとか身を守る。

「おいおい、あいつらは・・・」

「以前、お店で暴れていた方々ですね。」

ドカッ

「・・・!」

3人は再び襲いかかる攻撃をよける。その最、キョンは軽く攻撃をくらってしまった。

「キョン!?」

「ー・・・ちょっとかすっただけだ」

「たくっ・・・」

「やるしかないようですね。・・・塩鮭!!」

「な、お前こんなときに何食って・・・」

「これで攻撃力が上がるんです!いきますよ」

菊は一人をロッドを使って攻撃する。

「ぐわっ!」

それなりに効いたようだ。

(菊さんらしいな・・・)

「ぼーとしてないで俺たちも行くぞ!」

「!・・・ああ!!」

「おりゃああああ!!」

<ドンドン>

銀時の刀を使った攻撃、キョンもなんとか慣れないライフルの攻撃をあてた。

それにより、1人が戦闘不能になる。

「シャドウ!」

菊の持つロッドから黒い塊がでてきて、それが敵の一人に当たる。

また、一人倒れる。あと3人。

<シュビッ><ドカッ>

銀時に攻撃がかかるがなんとかよけて反撃し、一人倒した。

「あーいまいましい!いまいましい!」

キョンも勢いで一人倒し、残り1人。

「これでおわりだっ!スプラッシュ!!」

瞬間、銀時のさしだした左手から水が現れそれが敵にクリンヒットした。

銀時たちは戦闘に勝利したのだった。

「ふぅ・・たりぃ・・・」

「・・・・・(なんだ?最後の水の攻撃・・・!)」

「思ったより簡単でしたね。」

三者多様な感想を述べその場はおさまる。

 

「つ・・・まぁこれでいい。我らにさからった罪だ!ここで氏ね!!」

 

かに思えたが、次のリーダーぽい人の言葉で緊張が高まる。

「「「!!!」」」

「これで終わりじゃねーのか。。」

キョンがそうつぶやくと同時に、リーダーぽい人が手を上げた。

すると、頭上に影がかかり、目の前に何かが降り立つ。

「・・・ドラゴン!?」

それは人くらいの大きさをしたドラゴンだった。「お前たちにはこれで十分だ」

「「「「十分だ」」」」

とたん、目の前が真っ赤に染まり3人は吹き飛ばされた。

ドラゴンの火を吹く攻撃・・・かえんほうしゃをくらってしまったのだ。

「・・・・っ」

ヒットポイントはほとんど残ってない。

連戦の上、経験の少ないキョン達にとってはかなり痛い攻撃だった。

3人ともしばらく動けなかったが、銀時はなんとか立ちあがった。

「こんなところでくたばるかっての・・・!」

<スプラッシュ!!>

銀時は再び水の攻撃をする。それによりドラゴンの動きが鈍くなる。

「キョン!菊!平気か!?」

「は、はい!大丈夫です。」

「・・・っ!ハァ・・・」

「・・・キョン!!」

キョンはほぼ倒れる寸前だった。

「・・・ヒ―ル!!」

菊がそういうと、菊の左手から淡い光が浮き出てキョンの傷を見る見るうちに直していった。

「お前、」

「癒しのリングの力です。それより、銀時君は戦いに集中を」

「お、おう」

銀時は再び刀を見まがえて次の攻撃に移ろうとする。

<ごオオオオ>

だが、すでに時遅し。ドラゴンはまた火を吹こうと見まがえていた。

アレをまともにくらえば全滅だ。とめるにしてもそれをする術もない。

「おいおい、冗談はよせっての・・・!」

ドラゴンは2度目のかえんほうしゃを銀時たちに放った。

 

nxst ・・・